防音研究

窓の防音対策

 家の開口部となる窓は、音の出入りが一番大きな場所です。空気を伝わって入ってくる音と、物体を通して伝わってくる音の2種類の音に対して対策を取らなければいけません。

 一般的な窓の防音対策としては、二重窓や内窓、複層ガラスが、防音効果も大きいと言われています。ですが、ただ単純に、ガラスを2枚張れば防音になるというわけではありません。例えば、仮に2枚のガラスが、同じ厚みだとすると、同じ振動数のものが一緒に振動することでますます大きく振動してしまうことがあります。これが共振です。窓ガラスよりもずっと薄いワイングラスですと、人の声で共振を起すことで、音だけで割ることも可能なくらいです。ですから、複層ガラスは必ず2枚のガラスは厚みが異なるのです。最初から2重サッシにする場合は、もちろんどの施工業者が行っても同じ厚みのガラスを使うことはありません。問題になるのは、後付で施工する内窓ですね。工務店などでお願いすれば大丈夫でしょうが、自分で枠ごと購入して取り付ける場合には、ガラスの厚みもきちんと調べてからにして下さい。

 また、アルミサッシは音が伝わりやすい物質ですし、構造上必ず隙間ができます。そうなると、ガラスだけに気を配っても十分な防音効果は得られないことになります。内窓を付ける場合は、内窓だけでも樹脂サッシにすれば効果は大きくなります。窓にはるシートでも、防音性能のあるものがありますが、これはどんな窓にでも貼れるわけではありません。ペアガラスや網入りガラスに貼ると、ほぼ間違いなくガラスが割れてしまいます。防音用ではなく、遮光用のフィルムも熱割れの原因になりますので、ガラスの種類と、施工可能な場所かどうかを十分に調べることが必要です。基本的に熱割れは温度差が大きいと起こりやすいので、日当たりがいい場所にある窓は危険です。

 ガラスや、窓そのものを変えられない場合は、防音カーテンも販売されています。防音カーテンは窓をすっぽり覆う形で設置するのが一番効果的で、窓の高さ、ぎりぎり程度の長さのものを使ったり、サイドに隙間が大きくなったりすると効果はもちろん半減します。

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